今回、お店で指輪の修理をお預かりしたのですが、
症状としては、5石あるダイヤの内
端の1石が欠損した状態で、お預かりしました。
「なるべく安く修理したい」とのご希望でしたので、
在庫の石の中から、枠に合う石を探すという作業。
小さすぎると隙間が空いて、外れやすくなってしまいますし
大きすぎるとそもそも枠にハマらない。
直径:2.6mm~2.7mmの範囲、
わずか0.1mmの誤差で探すという高難易度ミッション(汗)
新品のダイヤを発注すれば、サイズを指定すればいいので
すぐに準備できます。
ここで、自分の失敗に気づきました。
材料コスト:新規発注>在庫という浅はかな考えで、
材料準備の時間コスト:新規発注<在庫という所まで
考えが至りませんでした。
修理業務に関しては、まだ1年程度ということで、
コスト管理が甘かったんだと思います。
お客様のなるべく安く仕上げて欲しいという要望に
応えるために、材料コストのみで対応してしまったという失敗。
材料コストだけで考えれば、別に損はしていませんし
普通に利益が出る見積りになっています。
しかーし、材料を入手するために費やした時間はどうなる?
新規発注なら一瞬で終わったことが、
探すという時間コストを見積に転嫁しなかったというミス。
多くの方が、お客様の要望に応えようと、
自分の時間を削って利益を出そうとします。
中には「経営者は人件費がかからないから」なんて事を
言われる方もいらっしゃいます。
会社でおそらくトップの営業力を持つ経営者。
その方が、時間を使っているのに、
そのコストを売価へ転嫁しない…
果たして、その浪費した時間があれば、
新規売上をいくら叩きだせたのでしょう?
会社にとって大損害ではないでしょうか?
しかも享受するお客様が、それを是とするとなれば、
果たしてそれはお得意様と言えるでしょうか?
目に見えないものだからこそ、しっかり転嫁して
お客様が納得いくように説明し←これを怠ってはいけませんが
気持ちよくお支払いいただく。
これこそ、売り手も買い手も良い関係が築けている
という事ではないでしょうか?
根拠もなくやたら値切るお客さんは、
たとえ継続的な売上があったとしても
お得意様ではないですよ(笑)